インターネットで「おまとめローン」という名称を検索すると、金融機関が提案するローン商品や、その比較サイトがたくさんみつかります。しかし、実際に「おまとめローン」という名称の金融商品の取り扱いは東京スター銀行一者のみが行っています。その他の金融機関では、別の名称がつけられているか、フリーローンという金融商品がおまとめローンに相当します。
「おまとめローン」という言葉が一般的に普及した背景と、おまとめローンがメジャーになった理由を考察してみましょう。
今では複数のローンをひとまとめにすることを総称して「おまとめローン」と言いますが、実際には「おまとめローン」は東京スター銀行の金融商品名であることは先述の通りです。

おまとめローンがローンを一本化する代名詞になった背景には、ローン一本化に用途を絞った金融商品を発表し、大々的に広告キャンペーンを実施したのが東京スター銀行が初であったためでしょう。ソニーの発売したウォークマンが携帯音楽プレイヤーの総称になった背景と同様ですね。
ひとつの商品名が、その他の類似した商品の総称になるのは、その商品に対する社会的な必要性の高さを裏付けているといえます。

それでは、ローンの一本化はなぜこれほど主要な金融商品となったのでしょうか。
そこには「多重責務」との密接な関係があります。いま、このページをご覧になっているあなたには、どのくらいのローンがあるでしょうか?住宅ローンに車のローン、教育ローンや、時計やブランド品など嗜好品から家電製品、ローンで購入したものはありませんか?

ローンで何かを購入した場合、商品価格に加えて手数料と金利も支払っていくことになります。
ローンの借入期間が長期に渡るほど金利は高くなり、実際に支払う金額は増額する仕組みです。
一括返済できれば金利が帰ってくるといのは、借入期間が短縮され金利が低くなったともいえます。その場の負担を軽減するためにローンが増えていくと、かえって金利で家計が圧迫されるようになります。信販会社が提供しているショッピングローンの金利はそれほど高額なものではありませんが、積もり積もれば見過ごせない金額になります。消費者金融や信販会社のキャッシングであれば、最大で20%の金利が課されます。こうなってしまうと、毎月の返済だけで首が回らなくなってしまいます。金額だけの問題ではなく、複数の金融会社への支払額を管理するだけでも大変な労力になってしまいます。

支払い先をひとつの金融がい者にまとめることができれば、手続きの面だけでも負担が軽減されます。
それだけではなく、銀行への借り換えでローンをまとめることができれば金利を安くすることも可能です。
年率が高い利息も、低金利の銀行で一本化できればその金利の分の負担が相当額減額されます。
元をたどれば、元金を支払うことでしかローンを減らす方法はありませんが、金利分の負担に関してはかなりの軽減が期待できます。
このように支払いを管理する煩雑さと合計返済額の減額を見込めることから、おまとめローンは人気を得ました。